こんな方に向けた記事です
- 恩株って言葉を見かけたけどどういう意味?
- 高配当株投資のメリットをもっと知りたい
- 長期で株を持ち続けるためのコツって何かある?
恩株という考え方をご存知でしょうか。
恩株を作ることができれば、例え暴落が襲ってきても実質的な損が出ることはありません。作るのは簡単ではありませんが、長く保有し続けたい高配当株はぜひとも恩株にしていきたいところです。
この記事では、恩株の特徴やその作り方についてご紹介します。
恩株とは投資元本を回収した株
恩株とは、投資元本を回収し終えた株のことを言います。
つまりどういうことか具体例を挙げてみます。
(例)株価1000円の銘柄Aを200株購入したとすると
投資した元本=20万円
(1000円×200株)
株価2000円に値上がりしたときに100株を利益確定すると手元に戻る資金は20万円
(株価2000円×100株)
最初に投資した元本20万円を回収
売らずに残っている100株が恩株
銘柄Aに投資した資金は20万円。
株価が2倍になったタイミングで保有株の半分を売ると20万円が手元に戻り、売らなかった100株が証券口座に残ります。この残った100株が恩株です。
恩株のメリット・デメリット
恩株の特徴は、投資元本をすでに回収しているところにあります。次に、元本を回収しているとどのようなメリットあるのかを見ていきましょう。
メリット①:実質、もう負けなし!メンタルの支えになる
恩株に関してだけをみれば、もう損をすることがありません。
恩株の株価が暴落しようと、
「元は取っている」という考えが精神的に大きな支えとなります。
極端な話、恩株の株価が0円に大暴落しようとも、その銘柄だけみれば今後の利益がなくなっただけで実質的には損をしていないことになります。
メリット②:引き続き利益を得られる
大きく値上がりした銘柄を利益確定したら、その後もさらに株価の上昇が続いて悔しい思いをしたことはないでしょうか。
恩株ならば、その後の値上がり益を狙い続けることができます。それに、もし恩株が配当を出すならば、投資コストはもうかかっていないにも関わらず配当をタダ取りし続けることができます。
恩株のメリットをまとめると以下の通りとなります。
恩株のメリット
- 元は取っているという精神的な後ろ盾が得られる
- 保有株が残っているのでその後の利益も得られる
デメリット①:恩株だと認識している必要がある
続いてデメリットを見ていきます。
1つめのデメリットは、投資家が恩株化している銘柄を「恩株」だと認識していないと精神の後ろ盾効果が発揮されないところです。
証券口座には、恩株化した銘柄を特別に区分するような機能はないので、恩株が含み損を抱えれば口座の表示上はただの含み損銘柄。つまり恩株とは、あくまで精神論によって成り立つ株と言えます。
デメリット②:作るのが大変
恩株は簡単にできるものではありません。
- 株価が2倍になる⇒狙ってできれば天才トレーダー
- 配当金で元本回収⇒長期保有が必要
長期投資家にとって魅力的なメリットがある一方で作るのは難しく、たまたま作れたらラッキーくらいの気持ちでいるのが良いでしょう。
恩株のデメリット
- 投資家が恩株になっていると認識している必要がある
- 作るのが大変
では次に、恩株はどのようなケースで作れるのかを見ていきます。
恩株の作り方
- 配当金で作る
- 値上がり益で作る
恩株は、配当金と値上がり益の2パターンで作ることができます。
①配当金で作る
一つ目は配当金で作る方法です。
(例)株価1000円/配当利回り4%の銘柄Aを200株購入したとすると
投資した元本=20万円
(1000円×200株)
1年あたりの配当金=8000円
(20万円×4%)
配当金を25年間もらい続ける
8000円/年×25年間=20万円
投資資金20万円を回収完了
残った200株が恩株
配当金で恩株化を目指した場合、多くの高配当株の配当利回りは3~4%台が多いことを考えると20年以上かかる可能性が高いです。
ただ、優良銘柄であれば増配のチカラによって期間短縮が期待できます。
②値上がり益で作る
次に値上がり益で作る方法を見ていきます。
(例)株価1000円の銘柄Aを200株購入したとすると
投資した元本=20万円
(1000円×200株)
株価2000円に値上がりしたときに100株を利益確定すると手元に戻る資金は20万円
(株価2000円×100株)
最初に投資した元本20万円を回収
売らずに残っている100株が恩株
例に出すのは簡単ですが、株価2倍の値上がりはそうそう狙えるものではありません。
もう一つ例を見てみましょう。
配当金と値上がり益の合算で作る
(例)株価1000円/配当利回り4%の銘柄Aを500株購入したとすると
投資した元本=50万円
(1000円×500株)
1年あたりの配当金=2万円
(50万円×配当利回り4%)
3年後、株価1100円に値上がりしたときに400株を利益確定すると
手元に戻る投資資金=44万円
(株価1100円×400株)
受け取った配当金の総額=6万円
(2万円/年×3年間)
最初に投資した元本50万円を回収
(売却による44万円+配当金6万円)
残った100株が恩株化
株価の値上がりと配当金の合算で恩株を作るケースです。
2倍の値上がりも20年以上配当金をもらい続けるのも簡単ではありませんが、合わせ技ならば現実的に狙いやすい難易度になってきます。
まとめ
今回は、長期投資と相性抜群の恩株について解説しました。
恩株のメリット
- 元は取っているという精神的な後ろ盾が得られる
- 保有株が残っているのでその後の利益も得られる
恩株のデメリット
- 投資家が恩株になっていると認識している必要がある
- 作るのが大変
恩株の作り方
- 配当金で作る
- 値上がり益で作る
- 配当金と値上がり益の合算で作る
「恩株なんてただの精神論」と思われた方もいるかもしれません。ただ、長期投資をする上で精神論は馬鹿にしたものではないと考えています。
暴落期に持ち続けるはずだった株を売ってしまい、その後の株価回復を取り逃すのは精神が暴落に耐えられないからです。
心地よく投資を続けるために、恩株という考えを取り入れてみるのはいかがでしょうか。
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